今号ではSALE企画の活用法について述べたい。OTAを始めとする、いわゆる販売代理店が定期的にSALE企画を催すのは既に定例となっている。販売代理店サイドとしては、SALE企画を実施し、ユーザーに告知することで、来客数を増やし、売り上げを増やしたい狙いがあり、販売代理店側に商品を提供している店舗サイドも自店のみ開催のSALEでは得られない規模の告知と販売を実施してもらえるので、基本的にはWIN―WINの関係となる。しかしながら、ともすると「売り上げを伸ばしたい」という欲求が双方に高すぎるゆえに、過剰な値引きSALE商品なども登場してしまうのが実態である。
そのような点を踏まえて、上手なSALE企画への参画の方法を考えてきたい。身近なSALE事例として、異業種ではあるがアパレル業界のSALE企画を例にとりつつ考えてみたい。アパレル業界のSALEの特徴(1)としては、「とびきり目玉商品」がある。「本品50%OFF!ただし、おひとり様1品限り」のような商品である。特徴(2)として、「数を売ることを主とした目玉商品」がある。「春物!売り尽くしSALE30%OFF」のような商品で、こちらの特徴は数を売ることを主としているため、比較的幅広いカテゴリにSALEがかけられており、かつ数に制限がない。特徴(3)として、「SALE外商品」の存在がある。「新着! 秋物先行仕入れ!(本商品はSALE対象外です)」のような商品である。
この三つの流れで分かることは、(1)目玉商品でお客さまの関心と来店を増やし、(2)主目的で売る商品を大々的PRし、購入いただく仕掛けを施し、(3)割引外の商品(大概は新商品)も見ていただくことで、新商品のPR活動を行う。という流れで構成されていることである。
この考え方は宿泊業でも十分に応用できるものであり、参考になる部分は取り入れてほしいと思う。SALEの成功の可否は、そのSALEを上手に活用するかにかかっている。また効果検証も必須なので、さまざまな箇所で開催されるSALEを通して、自施設にとって最適な活用方法を見出してほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)